体

人間落ちる時ってドミノ倒しに崩れていくもので。
とくにあたしはそう。その中でも今回は特にひどかった。いや、まだその中にいるだろう。

仕事もばかばかしい。
こんなあたしが秘書ってことがそもそも合わない。
他人から見たら恵まれすぎてるのだろう。
でももう限界が確実にきていてこのままでいいわけがない。
馬鹿みたいに忙しくて仕事の間に男のことなんて考える余裕のない仕事がしたくてたまらない。
土日の休みなんていらない。

どんなに落ちてるときでも絶対に途中まで、最後まではしなかった自分がついに最近は体を重ねないと忘れられない。眠れない。

でも自分でももっといろんな人とできたなら楽だと感じるのだけど生理的に受け入れられる人間が少なくてこまる。
どんなにいい人でも、やさしくても、あたしを好きだとしても駄目だなんて自分に呆れる。

あたしを好きでなくても、やさしくなくても、動物的にピンとくる男に惹かれる。そんな自分にいやになる。

あたしは体がかかわると心が入るタイプだと思う。
遊ぶならそこまでキッチリ割り切れる女ならいいのにねえ。
そこが問題なわけで。

心が入らないように一人では危険だとどこかで声がして自分を走らせる。

本当はこわくてならない。自分をうけいれれるほどの男なんてこの世にいるんだろうかと・・・

どの男の言葉も心に響かない。どんなやさしさももう心に届かなくなってきてる。それでも人肌を求めてしまうのはなぜなんだろう。